ケイ酸カルシウム板 1 石綿含有なし
施工年 1982年
施工場所 事務所天井
建材の写真

ケイ酸カルシウム板として分析の依頼を受けた。スレートよりも柔らかく軽い。
実体顕微鏡写真

表の白い部分の40倍の写真。繊維が多く観られるが有機繊維と思われる。
位相差分散顕微鏡写真

位相差分散顕微鏡で観察すると屈折率1.620の浸液中でトレモライト様の分散色を示し、回転偏光板の回転で色の変化がある。エックス線回折分析でも角閃石のピークがある。しかし形状が石綿特有の繊維構造ではなく柱状。
偏光顕微鏡写真

100倍の直交ニコル+鋭敏色板での観察 これは有機繊維だがこれ以外に直線的な繊維がある。
直交ニコル+鋭敏板での観察。400倍 石綿のような伸長の正負が正の繊維があるのだが、負の繊維も観られる。 写真は右側の太い繊維は伸長が正、その左上の細い繊維は少し薄いが負を示している。繊維の形状も石綿様繊維(asbestiform)というよりも板状に見える。

400倍 直交ニコルで消光角を観察する。やや斜消光、5°くらい。トレモライトはわずかに斜消光の繊維がある。

直交ニコル+鋭敏板400倍での観察。観察しながら、カバーグラスの上を細い棒で軽く突く。すると浸液の振動に合わせて繊維が転がり、上を向く面が変わってゆく。すると伸長の正負が入れ替わるのが観察される。これはウォラストナイトである。ウォラストナイトは屈折率はトレモライトに近く、間違えやすいと鉱物書1)でも指摘されている。見分ける方法は伸長の正負が入れ替わる、つまりある面は長方向の屈折率が短方向の屈折率よりも長いが、その面と直交する面は逆になっていることを利用する。ウォラストナイトは建材にはよく利用されるので、伸長の正負が両方ある場合は疑う。
エックス線回折分析法
ウォラストナイトは位相差分散顕微鏡だけでは識別することが難しいもののひとつ。上の方法で識別できるが、形態観察を十分行えば角柱状の構造が観られる。やはり形態観察が重要。この試料ではエックス線回折分析で角閃石のピークがあり紛らわしい。

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