ウランバートル
モンゴルの首都ウランバートル、「赤い英雄」を意味するこの首都は400年足らずの歴史のなかで清朝支配と独立、社会主義国家建設からペレストロイカ、その後の市場経済化、更にはグローバリズムという安易ではない近現代史を経てきた。特に最近急速に進むグローバル化のなかで、めまぐるしい、あるときには痛々しい激変のただ中にある。雪害で遊牧をあきらめ貧民となる人々、マンホールに住む子供たち、アルコール依存などが社会問題となる反面、土地所有解禁などの自由化の波に乗ることのできた者は一握りの富裕層を形成している。わずか80万人たらずの都市であってもグローバリズムの影響は大きく現れている。初めて訪ねた1998年、高度をおとす飛行機から見た街は広大な草原の盆地の底の小さな水溜りのようだったが、今、街は周囲の丘をはい上がっている。かつては人も車も少なく閑散としていて「なんとうらびれた所に来てしまったのだろう」と感じたものだが、現在は人の往来が激しく車も激増して渋滞まで見られる。重々しい木のドアを開けなければ何を商っているのか分らなかった商店もショウウインドウと看板で飾り立てられている。
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