WEM

2012 石巻アスベスト・プロジェクト

DSC07530.jpg

 私たちは、東日本大震災発生後の2011年4月から6月までの石綿の状況調査の結果から、リスクの高い地域に焦点を絞り、より実行力のあるアスベスト対策を検討してきました。2012年1月から(独)環境再生保全機構の特別助成を受けて「石巻アスベスト・プロジェクト」を開始し、単一の自治体としては建物被害の最も大きかった石巻市での調査と対策を開始しました。
 アスベストはほとんどが建材に利用され、今でも多くの建物にアスベスト含有建材が残されています。建材にアスベストが含有しているかどうかは分析しなければ正確にはわかりませんが、含有の可能性が高いもの、また含有している場合に特に注意が必要な建材を目で見て判断することは可能です。私たちは被災地を見て回り、アスベストの危険性の高いものをピックアップしました。その際に特に注意したのは、①吹付け材、②スレート材です。①吹付け材は、飛散性が高く、解体工事の際には特別な飛散防止対策をとらなければならず、リスクが高い建材です。調査では吹付け耐火被覆のように露出していて飛散する可能性が高いものをチェックしました。
 吹付け材にはアスベストを含まないものも多く、分析しなければ含有の有無は分からないため、解体の際には必ず分析しなければなりません。②スレート材は、輸入されたアスベストの半分以上が使用され、大量に残されている建材です。写真2のように倉庫や工場では波板スレートが使用されることが多く、被災地でも大量に残されています。吹付け材と比較して飛散性は低いものの、切断や破断されるとアスベストが容易に飛散します。また分別が不十分なために再生砕石に混入していることが問題になっています。
 調査により、アスベスト含有建材が多く、リスクの高い場所が判明した場合、その周辺の空気中のアスベスト濃度を測定します。600Lの空気を2時間かけて吸引し、フィルター上に浮遊物を採取し、顕微鏡で観察してアスベストを計数します。日本では、例えば作業環境の基準として150f/L(1Lの空気中に150本のアスベスト繊維が浮遊している)や工場の排出基準として10f/Lなどがありますが、アスベストの発がんをおこすしくみは閾値(これ以下ならば全くがんをおこさない下限値)がなく、少量の曝露でも発がんリスクを量に応じて上昇させるため、これらに基準にとらわれず、発がんリスクを検討しました。
 結果は2012年3月20日の「アスベストから石巻を守ろう!」にて発表される予定です。

調査の経過
 2011年12月11-14日 予備調査
 2012年1月22-24日 第1回調査
 2012年2月12-14日 関係者、関連団体訪問
 2012年2月26-28日 第2回調査
 


お問い合わせ