Pタイル(床用ビニルタイル) クリソタイル含有
施工年 1980年
施工場所 事務所床
Pタイルは1987年の製品まで石綿を含有していたが、接着剤も石綿含有の可能性があるため、年代によって含有の有無を判断することができない。古いもので含有率が高い製品は実体顕微鏡で石綿繊維が確認できるものもあるが、多くの石綿含有Pタイルは実体顕微鏡では石綿は見えない。カレドリア・クリソタイルという短く、細かいクリソタイルが使用されたものが多い。
古いPタイルの実体顕微鏡写真(上10倍、下30倍)、クリソタイルが見える。
Pタイルの実体顕微鏡写真(上10倍、下30倍)、こちらは繊維は見えない。
電気炉で灰化して酸処理することによって有機成分と酸可溶成分が除去され分析が用意になるが、簡易的な前処理方法として加熱処理がある。
試料をメスで適量削り出す。
スライドグラス上で浸液(1.550)を滴下して、メスで切り刻む。
カバーグラスをかぶせて、150℃程度のホットプレートで30秒程度加熱する。
ゴムがついた柔らかい棒などでカバーグラスを押して試料を伸ばす。
試料が浸液に溶けて観察が可能になる。
偏光顕微鏡(直交ニコル+鋭敏色板、100倍)
中央にクリソタイルがある。スレートなどに入っているものよりも短く、細かいが、複屈折をもつ粒子は目につくので発見できる。
偏光顕微鏡(直交ニコル、400倍)
石綿様形態(アスベスティフォーム)が観察できる。